<映画>蜜蜂と遠雷:音楽ってなんだ。

 

 音楽なんもわからん。

 蜜蜂と遠雷みてきました。レイトショーでひとが少なくてのんびり観ることができてよかった。原作は発売した年かその翌年(2016? 17?)に読んだけど、映画化するとは思わなかったよね。作者さんがおっしゃっているように映画化なんて無理な小説なんですよ。原作めちゃくちゃ良いので読むと幸せになれます。映画の感想だからそっちにはあまり触れないけど。

 音楽は素人も素人なのでそのへんの演技とかはわかんないですけど観測範囲内で批判している人はいなかったので気にならないと思う。

 公式予告とか見て問題なければ安心↓

mitsubachi-enrai-movie.jp

 

以下、ネタバレを含みますのでなにとぞ。

 

・全体

・栄伝亜夜

・風間塵

・そのほか

 

・全体:構成が巧い

 原作の小説は心理描写が濃厚で、分厚いです。普段あまり本を読まないひとはハードルに感じるのでは。私はその重厚感というやつが好きで、読んだ年はしばらくハマってた覚えがあります。だから、映像化できるとは思わなかった。心理描写こそが醍醐味というかハマりどころなのにそれを言葉にできないって無理だと思う。あと普通に尺も足りない。

 でも、うまく再構成したなあと観ながら感心してしまったんですね、誰目線?

 私は刷り込み(?)が激しくて、要するに原作至上主義なのでメディアミックスは基本嫌いなんですけど、それでも楽しめた。同じ作品なのに、楽しみ方がまったく違う。すごいなあ。

 小説も台詞は多いほうではないと思うけれど、映画はそれに輪をかけて台詞少なかったな。その分の描写は、目元、仕草、口角に全部表れていたので役者ってすごいなあとも思いました。特に睫毛が好き。フェチじゃないです。

 

・栄伝亜夜

 「あや」って名前はいろんな漢字があると思うんですけど、この字はめちゃくちゃ好き。人の名前の音と漢字との組み合わせって日本語ならではの楽しみ方ですよね。好き。

 マサルと会ったときに「あーちゃん」「まーくん」って呼び合うの良いです。あのへん私のイメージだともう少し落ち着いた印象だったんだけど、思ったよりテンション高めだった。友人と何年越しの再会! みたいな経験がないですね。演技が良くて、立ち止まるとき回想してるとき安心して笑うとき全部の動きに彼女の心情が映されていたので満足。ピアノの演技どうやってんだろうなあ、めちゃくちゃ練習してあれやってるなら本当に感動。「必死な音」っていうのは私にもなんとなく感じ取れたのですごい(語彙力0)

 塵との連弾シーンが特によくて、心が触れ合ってるかんじが伝わる。原作とちょっと違う場面でしたね、場所設定とか。

 

・風間塵

 実写化にあたって一番不安だったのこの子。天才で飄々としててでも明るくて、ピアノが好き。「ホフマン先生」って言うときのほわってした顔が好き。ぶっちゃけこの子にハマる人間なんているのかとか思ったけど全然問題なかった。むしろ風間塵だった。オーディションで受かった新人役者さんらしいけどめっちゃハマっててよかったなあ。想像より可愛い系の顔ではありましたね。イメージ的にはもう少しミステリアスで、何考えてるのかわかんないタイプかと思っていたけど可愛い系に寄っていて、これはこれで風間塵だなあ……。

 

・そのほか

 私が好きだなあと思ったシーンは、やっぱり「春と修羅」のときの明石さん。「生活者の音楽」を掲げて挑む姿と家族との小さな衝突とそれ以上の愛が感じられてじんわりと幸せな気分になった。「春と修羅」のカデンツァの部分、私は明石さんのが一番好きでしたね。一番一般人で、普通なんだけどだからこそああいう舞台に立つのは誰よりもすごいことだと思う。

 マサルは私の好きなタイプではないんだけど、亜夜との絡みが好き。あとは、彼が先生に対して反駁(というほどでもないか?)したシーンは彼の意志が感じられてよかったなあ。あとは、亜夜に「コンポーザーピアニストになりたいんだ」って打ち明けるところも、信頼関係~!ってかんじですね。それに対しての亜夜の反応もよい。

 いろいろ書くことはあるはずなんだけど、如何せんここまで書くのに時間が経ってしまった。やっぱり見たあと速攻でメモしないとダメだなあ。

 

 あと、音楽のことは全然わからないので音楽経験のある人がこれを見たらどうなるのか素直に気になった。コンテストとか発表会とかの舞台がどういう感じか、気になる~。音楽経験のない身からするとわけわかんないこといろいろあるし、逆もあるんじゃないかな。

 あ、スピンオフの「祝祭と予感」も読みました。本編読むのは大変……ってひとはこっちだけでも読むとめちゃくちゃ良い補完になって最高だと思います。1時間くらいで読める。

祝祭と予感 | 株式会社 幻冬舎

 

 教訓、感想文ははやく書くべき。

 あと、秋の夜風のなか自転車を漕ぐのはめちゃくちゃ気持ちいい。

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